公園通り雑記帳

残業代ゼロ法案

   

 政府が経済界の意向を受けて推進してきた残業代ゼロ法案に、連合がささやかな修正で容認する方針に転換しました。

 4週4日・年間104日の休日と臨時の健康診断を行えば、あとは労働時間規制の適用はなく、残業代もなしでOKとのこと。これならたとえば年始に4日休んだら、あとは2月21日まで無休で長時間労働をさせても違法ではなく、残業代を支払う必要もありません。もちろん、過労死の危険は高まります。ブラック企業奨励法とでも言うべきとんでもない法案です。

 新聞に出ていた推進側のコメントは、労働時間ではなく成果で評価されるようになるから、短時間で集中して働けば生産性が上がる、というものでした。短時間で集中して働くなら、現行の労働時間規制で何の不都合もなく、この法案におよそ理のないことは明らかです。

 連合の変節により法案成立の可能性は高まりましたが、他方で、下部組織では反発の声が出ているとのことですし、連合と協力関係にある民進党も今のところは反対姿勢を維持しています。連合が裏切ろうとも労働者の真の声を高めれば、安倍政権の支持率低下という情勢のもと、廃案は不可能ではないと思います。【T】

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