公園通り雑記帳

ポピュリズム

   

ポピュリズムという言葉を聞くようになりました。大衆迎合主義とか人気取り政治とか説明されていますが、ものの本によりますと定義としては2種類あるようです。一つは政党とか議会などの固定的な支持基盤を超えて直接国民に訴える政治スタイルをいい、もう一つは政治変革を目指す勢力が、既成の権力構造やエリート層を批判し「人民」に訴えてその主張の実現を目指す運動ということのようです。
政治学の難しいことはよくわかりませんが、いずれにしても直接国民、「人民」に訴えていく政治手法ということなのですね。
イギリスのEU離脱をめぐる国民投票やアメリカの大統領選挙、いずれも、予想に反してEU離脱派が多数を占め、トランプ大統領が選出されました。ポピュリズムの勝利ともいわれました。なぜそうなったのか、いろいろ論評されていますが、どちらの国についても、旧工業地帯で鉄鋼業や製造業を担ってきた労働者層が産業構造の変化で失業や貧困問題に直面しており、それに対して「グローバル化」を推進する既存権力層が適切な対応を取らず、それらの人々を置き去りにしてきたことへの痛烈な反発であるとの説明に、そうかと納得できるところでした。

さて、日本では今後ポピュリズム的手法が進展するのでしょうか。
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「人づくり」への疑問

   

最近新聞を読んでいると、「人づくり革命」という言葉を目にします。これから政府が柱としたい政策らしいですが、その内容はさておき、「人づくり」という表現に違和感があったのでインターネットで「人づくり」と検索してみました。すでに企業や自治体などで使われているという結果が出たので、戸惑いました。「人づくり」という言葉で表現したいことはわからなくもないのですが、その「人」は組織や集団にとって都合の良い、画一的な「人」のように感じられます。「つくる」ことによって出来上がるものが「人」というのはなんだか気味悪く、もっといい言葉があるだろうにどうしてこう表現するのだろうと不思議です。

また、ネット上では、「人づくり改革」と書いてある記事もありました。「革命」と「改革」では全然意味が違ってくるのに、表現が定まっていないのか、発言者がその時の気分で言ってしまうのか、記者が無頓着なのか……。言葉に敏感なのが良いわけではありませんが、あまりに鈍感では、伝えることも受けとることも、難しくなるように思います。
[S]

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