残業代ゼロ法案
政府が経済界の意向を受けて推進してきた残業代ゼロ法案に、連合がささやかな修正で容認する方針に転換しました。
4週4日・年間104日の休日と臨時の健康診断を行えば、あとは労働時間規制の適用はなく、残業代もなしでOKとのこと。これならたとえば年始に4日休んだら、あとは2月21日まで無休で長時間労働をさせても違法ではなく、残業代を支払う必要もありません。もちろん、過労死の危険は高まります。ブラック企業奨励法とでも言うべきとんでもない法案です。
新聞に出ていた推進側のコメントは、労働時間ではなく成果で評価されるようになるから、短時間で集中して働けば生産性が上がる、というものでした。短時間で集中して働くなら、現行の労働時間規制で何の不都合もなく、この法案におよそ理のないことは明らかです。
連合の変節により法案成立の可能性は高まりましたが、他方で、下部組織では反発の声が出ているとのことですし、連合と協力関係にある民進党も今のところは反対姿勢を維持しています。連合が裏切ろうとも労働者の真の声を高めれば、安倍政権の支持率低下という情勢のもと、廃案は不可能ではないと思います。【T】
好き嫌い
少し前ですが、新聞やインターネットで気になった記事がありました。
スポーツ庁が掲げた「スポーツ基本計画」についてです。スポーツによって「人生が変わる」「社会を変える」「世界とつながる」「未来を創る」の4つを基本方針のもと、スポーツ参画人口の拡大を目指しているとのことです。その計画の中に、スポーツが「嫌い」「やや嫌い」の中学生を半減させるという内容がありました。将来、運動しない大人が増えてしまうと懸念しているらしいのです。
正直、私は中学生の時は体育が嫌いでした。運動の苦手な生徒は劣等感からか、迷惑をかけている、できなくて恥ずかしいなど負い目ばかり感じてしまうものです。
こんな中学生だった私ですが、大人になってジムに通ったり、近所をジョギングしたりしてスポーツを自発的に楽しんでいます。好き嫌いは個人の感じ方であって、強制的に好きにさせるというのはいかがなものかと感じました。体育嫌いの子供が必ずしも運動しない大人になるとも限らないですしね。
【K】
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