旅先での自己責任
休暇をとりバチカン市国を訪れたときの話です。
バチカン美術館はいつも混んでいるというので、事前に予約しチケットを持参しました。長蛇の列に並ぶこともなく、入口へと続く予約者用の道を進んでいくと、所々にIDカードをさげた男性が立っています。
「チケットを見せてくれ。スタッフだ」というので予約票を見せると、「このチケットじゃ全部の施設には入場できないよ。美術館、礼拝堂には入られるけど、大聖堂には行けない。あと21ユーロ出せば全部OKだよ」と言います。私は「美術館と礼拝堂だけでいい。このチケットはそのためのチケットでしょう?大聖堂へは今日は行かないから必要ない」そう答えますが、「だめだ。これじゃ全部まわれないんだよ」とその繰り返し。次第に互いの声が大きくなって喧嘩のようになり、最後は「あんたに何を言っても分からん」と男性は別の人の方へ去っていきました。
(厄介だったな~)と思いながら、(あれ、大聖堂はそもそも入場無料だ……)と気がつきました。
実は彼らは美術館関係者ではなく、とある旅行会社のスタッフのようです。彼らについていくと、一種のバチカンツアーのようなチケットを買う羽目になり、その内容はたいして充実していないらしいことや「詐欺だ」と苦情が寄せられていることをその後知りました。
世界各国からの観光客が集う場所で、こんな胡散臭いビジネスを許していていいの?と思いますが、どうやら自己責任ということのようです。「損した!」、「騙された」とバチカン関係者に文句をいったところで、とりあってもらえないようです。
【S】
グーグルナビ
最近は、スマホのナビを使えば初めての場所も行きやすくなりましたね。
先日、東京拘置所に拘束されている人を証人尋問するため、東京拘置所へ行きました。東京拘置所へ行くのは初めてでしたが、東武スカイツリー線の小菅駅から徒歩10分くらい、ということだけ事前確認し、あとは駅からスマホのグーグルマップのナビで行くことにしました。
ナビに従って歩いていくと、拘置所の外壁にたどりつきました。そしてナビに誘導されて壁に沿って進んでいきました。ところが途中で、拘置所に隣接する団地の敷地内に入るようナビが指示しました。何か変だな、と思いつつも、これが近道なのかなと思い進んでいきましたが、ナビが目的地に着きました、という地点は拘置所の裏側でした。はあっ?!と思いながらさらに壁沿いに進んでようやく門にたどり着きましたが、結局、広大な敷地を無駄に4分の3周してしまいました。
あとで調べてみると、誘導された場所は拘置所の建物と外壁とが一番近い場所ではありましたが、そこに門はないのですが‥。
普通の行き先はナビを信用しても大丈夫でしょうが、広い敷地にある施設に行くときは要注意です。
【T】